バナーテキストのコツ デザイン編
実はどれだけ優れたバナーテキストを作っても、それを伝える文字のデザインがダメでは効果を感じにくいです。バナーテキストは文字のデザインを含めて完成といえます。
意外にもこの文字のデザインを軽視する方は多いです。ほかのバナーテキストと差を付けるなら、文字のデザインにもこだわって作成しましょう。
ジャンルに適した書体を選ぶ【明朝体 or ゴシック体】
文字の種類である書体は、大きく分けて2種類存在します。明朝体は横線に対して縦線が太い、横線の右端に三角の山(ウロコ)があります。一方、ゴシック体は横線と縦線が同じ大きさ、横線の右端に三角の山(ウロコ)がない書体です。
これらの書体は、ジャンルによって得意不得意があります。明朝体は落ち着きのある大人っぽい書体、ゴシック体は元気で親近感のある書体といえます。バナー広告がどんなジャンルなのか考えた上で、適切な書体を選択してください。
心理効果の高い色を使う【色彩の心理学】
赤は危険、青は冷静、緑は安心など、色彩には共通の印象が存在します。こうした色の印象を「色彩心理学」と呼び、バナーテキストにも応用できます。伝えたいイメージの色を用いれば、訴求性が高まるため、さらなる効果が期待できるでしょう。
特に、これまで紹介した心理効果に合わせれば、より一層を高い効果が見込めます。
赤:情熱的・衝動的・生命
橙:家庭・仕事・自由
黄:幸福・好奇心・向上心
緑:安心・平和・自然
青:冷静・安全・誠実
紫:精神・気品・厳粛
白:純粋・神聖・清潔
黒:高級・暗闇・恐怖
銀:上品・洗練・金属
金:高級・豪華・成功
上記に主要な色のイメージをまとめました。バナー広告のジャンルに合わせて、適切な色を利用してください。
伝えたい文章に優先順位を付ける【ジャンプ率を意識】
「1日5分であなたも変われる英会話」という文章があったとして、訴求すべき点はどこなのか?分解して考えてみましょう。もっとも訴求すべき点は”1日5分”、続いて”あなたも”や”英会話”、または”変われる”という部分でも構いません。
ここでは、”1日5分”、”変われる”、”あなたも”、”英会話”という優先順位にします。
バナーテキストを作る過程において、必ず上記のように伝えたい文章の優先順位が生まれます。もし、これらの文章を同じサイズにしてしまうと、ユーザーは何を受け取っていいのか理解できません。
そこで、ジャンプ率つまり文字の大きさの比率を意識してデザインしましょう。”1日5分”はもっとも大きく、”変われる”は2番目……といった具合にジャンプ率を決めれば、より伝わりやすい文章が完成します。
バナー制作でよくあることが、「全部のメッセージが重要」と考えてしまうことです。全部が重要と考えて全部を伝えようとすると、何も伝わりません。
そんな時は「仮に0.2秒しか見られないとして、何を伝えよう?」と考えてみてください。実際、多くのバナーは1秒も見られません。1秒未満で伝えられることを以下に伝えるかが重要です。
写真やイラストと被らないようにする【コントラストの強弱】
多くのバナー広告には、テキストのほかに写真やイラストを利用します。この際、写真やイラストとテキストが被らないように注意してください。
当たり前ですが、白い文字に白い写真やイラストを使えば、文章が読みにくいです。また、同系色を利用してもコントラストの強弱がなければ、ぱっと見でわかりづらいバナーになります。
できるだけ、写真やイラストに対してコントラストを付けたカラーを意識してください。
ぱっと見で文字がわかるようにする【0.2秒の世界】
ユーザーに伝わりやすい文章を作り、それに準ずるデザインができたら、ぱっと見で文字がわかりやすいか判断してください。
人間の第一印象は0.2秒で決まるといわれています。バナー広告も同じように、ぱっと見で印象が残らなければクリックされません。なんどもテストを繰り返し、印象に残るバナーを作りましょう。
効果的なバナーに欠かせないテキストとデザインのポイントまとめ
今回はバナーテキストのコツと、魅力的なテキストをしっかり伝えるデザインについて解説しました。
バナー広告に使用する文章を作る際、多くの方は文章のコツを重視しがちです。もちろん、文章も重要ですが、それを伝えるためのデザインも大切です。
日々無数の広告がユーザーの注意を奪い合っている中、自社のバナー広告をクリックしてもらうことは、広告出稿している無数の競合他社に心理戦で勝つことと同じです。
今回紹介したコツも、心理学効果が中心でしたが、「いかにユーザーの注意をひくか」「いかに競合ではなく自社に興味を持たせるか」はまさに心理学の領域です。