ビジネスに使える〇〇効果※随時更新

サブリミナル効果(Subliminal effect)

サブリミナル効果とは「映像中に一瞬(人が認識できない程の非常に短い時間)本編と関連のないイメージ・テキストを混入させると、映像を見た人の潜在意識に対して影響を与える」とする心理学の仮説です。

ミラーリング

ミラーリングとは相手の行動をミラーのように真似することで、親近感を抱かせ商談などをうまく運びやすくするテクニックです。

人間は自分と似たものや人に親近感を抱きやすいという心理を持っており、これを類似性の法則と呼びます。ビジネスシーンでの活用例は、相手が笑ったらこちらも笑う、コーヒーを飲んだらこちらも飲む、などで自然な流れで行うことができます。潜在意識に働かせるものなので、相手に気付かれない程度にやることがポイントです。

単純接触効果(ザイアンス効果)

単純接触効果はザイアンス効果とも呼ばれ、広告や商品を顧客に何度も接触させることで無意識のうちに好感度を上げるテクニックです。

人間は何度も見たものや、繰り返し接触した人は意識せずとも好感度が上がっていく心理を持っていますが、これを熟知性の法則と言います。
ビジネスにおいてはプロモーション活動で積極的に使われる手法で、最近ではSNSの広告でもよく見受けられます。一度ザイアンス効果である程度の信頼関係が構築できると、一定期間目にしなくなってもしばらくは効果が続きますので、営業でも活用されています。

マジックナンバー3とマジックナンバー7

3という数字に人間は調度良いという感覚を持っており、これをマジックナンバー3と呼んでいます。具体例を挙げる時、3つが圧倒的に多い理由がマジックナンバー3によるものです。2つだと少なくて心もとない、4つだと多くてくどいと感じるので3つが調度良いのです。

また、短期的に記憶しておける数が7個前後なので、マジックナンバー7と呼ばれています。

共に素数であり数字として独自性の強さがあるため、心理的に注意を引きやすいという特徴を持っています。ビジネスではマーケティングの基本として「3、5、7」は抑えておくべき数字です。

フット・インザ・ドア・テクニック

フット・インザ・ドアの語源は営業マンがドアに足を入れる仕草からきており、「お話だけでも聞いてもらえませんか?」という1つ目のお願いに対しYesを貰えたら、その後もYesを引き出しやすくなるというテクニックです。

人間は一度決断したことは貫き通したいという心理を持っており、これを一貫性の原理と言います。つまり、一度相手からYesを引き出せれば次もYesへと繋げやすいということです。
小さなお願いから始めて段階を追って、少しずつお願いを大きくしていくのがポイントです。社内のコミュニケーションでも活用できるスキルなので、ビジネスマンには欠かせません。

ドア・インザ・フェイス・テクニック

ドア・インザ・フェイスとは本来叶えたい要求を飲んでもらうために、最初に無理な大きいお願いをして断らせ、次の小さくしたお願いを飲んでもらうテクニックです。
上記で紹介したフット・イン・ザ・ドア・テクニックとは反対のビジネステクニックになります。

人間は借りができると申し訳なさを感じるので、何らかのお返しをしなければと思ってしまいます。これを返報性の心理と言います。

例えば、「5万円で買って頂けませんか?」という要求を断られ「では、1万円でいかがでしょう?」と大幅に値下げしたとします。その際相手からは「自分のために譲歩してくれた」という風に見え、罪悪感が生まれ、お返しとして要求を飲んでしまうのです。ビジネスでは主に営業で活用される交渉術です。

ハード・トゥ・ゲット・テクニック

ハード・トゥ・ゲット・テクニックとは「特別に」や「あなただけに」という言葉を用いて、相手の気分を良くさせて信頼を獲得するものです。
もう少しかみ砕いて説明すると、「自分は特別なんだ」という自己重要感を刺激すると、「特別な人だと思ってもらえた」と承認欲求が満たされます。この心理をうまく活用しているテクニックです。

ビジネスにおいては、新規顧客への営業トークで使えることはもちろん、会員限定サービスや会員のランクアップなどもこの手法を利用しています。
「会員様限定特別価格」や「初回の方限定キャンペーン中」などもハード・トゥ・ゲット・テクニックの1つです。

オープンクエスチョン

オープンクエスチョンとは相手が「はい」か「いいえ」などの2択では答えられない質問のことです。ビジネスでは営業でよく耳にする用語ですが、コーチングや上司と部下のコミュニケーションでも使えるテクニックです。

例えば、「あなたが抱えている問題は○○ではないですか?」という質問ですと「はい」という淡泊な答えが返ってきてしまい、相手の言葉をそれ以上引き出せません。なので、「今あなたが抱えている問題はなんですか?」とあえて余白を持たせて聞くことで、相手の本音や深層心理を引き出せる可能性が高くなります。
「Why」や「What」などの5W1Hを含んだ質問を心がけると良いでしょう。

クローズドクエスチョン

クローズドクエスチョンはオープンクエスチョンの逆で、「はい」か「いいえ」などの二択で答えられる質問を指します。ビジネスでは営業の最終段階で、意志を明確にしたい時などに使います。

人間はAかBかの2択にされた場合、どちかを選ばないといけないという心理が働きます。つまりどちらも選ばないことは少ないのです。
なので、「弊社のAとBどちらの製品を選ばれますか?」と質問するとAかBどちらかで答えてくれるので、商談が成立しやすくなります。

ホット・リーディング

ホット・リーディングとは、相手の情報を事前に調べておき、営業などのビジネストークにその情報を活用させて場を暖める手法のことです。

例えば、相手のFacebookやTwitterを見てボルダリングを最近始めたという情報を得たとします。それを商談前の雑談で「実は最近ボルダリングに興味がありまして……」とトークに取り入れると、「私も最近興味を持って始めたばかりなんです!」と自分と同じ要素があることに心理的な安堵感を生みます。

結果的に場を和ませることに繋がるので、相手の本音を引き出しやすくなります。

コールドリーディング

コールドリーディングはホットリーディングと違い即興性があり、相手の表情や仕草、言葉から思っていることや心理を推測し、こちらの思惑に誘導していくテクニックです。営業などのビジネストークで活用されます。

例えば、個人営業のお客さんで左手の薬指に指輪をしていたとします。この場合、結婚している人がほとんどなので、配偶者がいます。配偶者がいるということは、子供がいたり養わなければならない対象がいる可能性も高いので、経済状況を会話や服装などでできる限り推測します。そして、そのお客さんに最もぴったりなプランを導き出し提案したりするのです。

観察力やコミュニケーション能力、共に高くないとできないスキルでしょう。

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは「人は期待された通りに成果を出す傾向がある」という現象で、特に教育心理学の分野において注目されている内容です。教育心理学における用語であり、「教師期待効果」とも呼ばれています。

偽の学力テストによって成績上位者と成績下位者のクラス分けを行い、成績上位者クラスを担当する教師には「この子たちは優秀な生徒だ」と伝えます。この際、生徒達にその話は一切伝えず、実際には成績順でクラス分けはされていません。しかしながら、成績上位者クラスに振り分けられた生徒達の成績だけが、みるみる向上したと言います。

ゴーレム効果

ゴーレム効果とは、人から期待をされずにむしろ悪い印象を持って接されると、その通りに悪い成績が出てしまう現象です。こちらも教育心理学で提唱されています。
悪い印象というのは接する際、態度に滲み出てしまうものです。それを受け取ってしまうと志気が下がり、芳しくない結果へと繋がってしまいます。

ゴーレム効果は悪循環に陥りやすく、悪い成績が出るともっと悪い印象を持たれてしまうので、パフォーマンスがどんどん低下してしまいます。それはお互いにとってデメリットしかないので、教育の分野で働く人も、人材教育の分野で働くビジネスパーソンも気を付けておきたい事項です。

ラベリング効果

ラベリング効果とは、他人に貼られたラベルどおりに人は行動してしまうと言った心理効果です。
例えば「〇〇君は遅刻グセがある」といったラベルを他人が貼ると〇〇君は遅刻するようになったり、一度諸事情で納期が遅れてしまったのに「○○は仕事が遅い」と決めつけると仕事をゆっくりとやるようになったりとします。

また、ラベリング効果はネガティブな効果だけでなく、ポジティブなラベルを貼ることで本人に暗示をかけポジティブな行動を促すこともできます。
例えば「○○さんは物分かりがとても良いですね」と言うと、そうであろうとする心理が働くので話を受け入れてもらいやすくなります。営業やビジネストークにおいて使えるテクニックです。

バックトラッキング

バックトラッキングとは、所謂「オウム返し」のことを指します。相手の発言をそっくりそのまま返すことで相槌を打ち、安心感や信頼感を増幅させる心理作用があります。
例えば「昨年は大変でした」という発言に対し、「昨年は大変だったのですね」と返します。すると「そうなんですね」と返すよりも、相手は共感されているように感じます。

営業やカウンセリング、コーチングなどのビジネスシーンではもちろん、プライベートの会話でも活用することで、相手の話を引き出しやすくなります。

両面提示の法則

両面提示の法則とは、勧めたい製品やサービスのメリットとデメリットの両面を提示することで、信頼してもらうテクニックです。

例えば、家電量販店などで、販売員にメリットばかり伝えられても「売りたいんだな」と思ってしまいます。しかし、そこであえてデメリットも提示されると「自分のことをちゃんと考えてくれている」と感じ、販売員に信頼感が生まれメリットも素直に受け入れやすくなります。結果的に実績に繋がりやすいのです。

ビジネスでは営業でも抑えておきたポイントですし、家電やアパレルの販売員にも活用できる心理的テクニックです。

片面提示の法則

片面提示の法則とは、両面提示の法則と逆の手法で、メリットかデメリットのどちらかのみを伝えることで、何らかの行動を促す心理テクニックです。
こちらの場合は、相手に知識があまりなかったり、こちらに好意をある程度持っている、ロジカルな説明を好まない人に対して有効な手段です。

ビジネスの例としては、高級ブランド店でデメリットを説明する販売員はあまり見たことがありません。これは片面提示の法則に則っていて、そもそもそのブランドが好きで訪問していることがほとんどだからです。また、ロジカルな説明よりも感情に訴えかける説明のほうが女性は心が動きやすいので、女性に対しても使いやすいでしょう。

ローボールテクニック

ローボールテクニックとは、最初のハードルを極端に低くすることで行動を促し、その後に高くしたハードルも越えさせるテクニックです。一度決断したことは貫き通したいという一貫性の原理を利用しています。

例えば、動画配信の定額サービスで「初月無料」はどのサービスでも行っています。2月目は解約手続きを単に忘れてしまう人もいますが、「このまま色んな動画が観たい」という心理が働いてサービスを継続する人が多いのも事実です。無料コンテンツが続々と出てきている昨今、欠かせないビジネステクニックでしょう。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、話し手が聞き手に与える印象は、話し手の外見や身振り手振りで半分以上決まるという法則です。

実際のパーセンテージは

・話す内容(言語情報)…7%
・声色、話し方(聴覚情報)…38%
・外見、身振り手振り(視覚情報)…55%

となっておりこの数字を取って「7・38・55ルール」とも呼ばれています。

プレゼンや商談などビジネスにおいて大事な局面は、視覚情報で半分以上決まってしまうのが人間の心理です。身だしなみを整えることや、身振り手振り、表情なども鏡を見てチェックする必要があります。

セルフマニピュレーション

セルフマニピュレーションとは、自分自身をコントロールすることで、自信を持った態度を表出させるテクニックです。話者がおどおどしていたり、声が小さかったり、伏し目がちだとどんなに内容が良くても、説得力が下がってしまいます。そこで、自身をコントロールし堂々とした態度で話をすることで、相手に安心感を与えます。

ビジネスにおいて、プレゼンや商談で複数人を前にして話すことは避けられません。大勢を前にすると緊張してしまうことももちろんありますが、相手の目をきちんと見たり、はっきりと聞き取りやすい話し方を心がけることで、成功率を上げていくのがセルフマニピュレーションです。

セルフプレゼンテーション

セルフプレゼンテーションとは、聞き手にどんな印象を持ってほしいか具体的に想像し、話す内容や話し方を変えてそれを実現するテクニックです。「見られている」という心理作用を利用するのです。

プレゼンや商談ではどうしても一辺倒で話をしがちなのですが、聞き手の状況は変わることが多いのでそれでは成功率が下がってしまいます。自分を客観視することで、今の聞き手にはどんな印象を持たれるべきなのか分析し、相手の視点に立って伝えることが大切です。

ビジネスにおいては、プレゼンはもちろん、教師など人前に立つ仕事をしている人にも有効なスキルです。

ラポールトーク

ラポールトークとは、相手と信頼関係を構築する心理テクニックです。
例えば現実的なビジネストークのみになってしまうと、相手の感情を動かすことは難しくなります。そんなときにビジネスとは関係のない親しみやすい話をするなどで、信頼関係を築きくことで、感情が動くと行動にも反映されますので、共感や信頼などを生みやすく成約につながる可能性が高くなります。

営業や販売の仕事をしている人には持っておくべき一つのテクニックでしょう。自然に挟むことが大事で、商談であれば待ち合わせしてから会議室に入るまでの道のり、販売であれば持っている物に対して「その○○素敵ですね。私も欲しいと思っていました。」などと挟むと有効です。

リポートトーク

リポートトークはラポールトークと対照的で、必要な情報のみを話すことを指します。こちらの場合、ラポールトークを不必要な会話と感じる人には心理的に有効な手段です。
ロジカルな会話を好む人やスマートなビジネスマンにはリポートトークのほうが合っていることが多いです。

ポイントは事実を正確に、わかりやすく伝えることです。この積み重ねが信頼へと繋がるので、メリットとデメリットの両方を伝える「両面提示の法則」を取り入れると良いでしょう。

イエス・バット法

イエス・バット法とは相手の意見を一度受け入れてから、否定するトークスキルです。頭から否定を述べてしまうと、攻撃的という印象を与えかねないので、一度受け入れる姿勢を見せるのです。

例えば「これは時間がすごくかかりますよね?」という否定的な疑問に対し、「確かにそうですね。しかし、その時間に見合った効果をお約束します。」といった具合に肯定のワンクッションを挟みます。すると、受け入れた上で否定の意見を述べているので、嫌な印象を持ちにくいです。

主に営業で活用されるトークスキルですが、社内や社外問わずビジネスパーソンは心がけておくべき心理的テクニックです。

クレショフ効果

クレショフ効果とは、関係のないいくつかの事柄を連続で見せると、そこに関係性を創り出してしまう心理効果のことを指します。

例えば、笑っている女性の写真と犬の写真、この2つを連続で見せたとします。2つに繋がりは全くありません。しかし、見せられた人は「この女性は動物を愛する優しい性格」と感じてしまうのです。

ビジネスでの活用方法としては、パワーポイントなどの資料作成で効果を発揮するでしょう。一見、商品とは関連性のない営業マンも信頼や安心感を与えることができれば商品自体にも良い印象を持たせることができます。

スリーパー効果

スリーパー効果とは、信頼性の低い情報であっても、時間が立つことによって信頼性の低さが失われてしまい情報の信頼性が増してしまうと言ったものです。
これは、簡単に言えば、人は情報の内容を忘れてしまうと言った現象よりも、情報の信頼性を忘れてしまう方が早いことによって生じると言われています。

つまり、時間が経てば「誰が言っていたか」よりも「何を言っていたか」が思い起こされるのです。ただし、与えられた情報にインパクトが大きいことが条件となっています。

ビジネスでは主に営業で応用できます。例えば、新人の頃は、顧客と信頼関係も築けていませんし、先輩や経験豊富な人のほうが有利なはずです。しかし、スリーパー効果を活用しインパクトの強いメリットを伝えておけば、時間をおいて訪問した際に好感触が得られるはずです。

アンダーマイニング効果(Underminging effect)

アンダーマイニング効果とは「自発的にやり始めた行動に対し、後付けで報酬を与えられると、とたんにやる気が出なくなってしまう現象」を表す心理学用語。

例えば、頑張って勉強している子供に対し「勉強を頑張っているからお小遣いね」などと言ってお小遣いを与えると、とたんにヤル気を無くし、以降はお小遣いを貰わないと勉強しなくなってしまいます。

エンハンシング効果

エンハンシング効果とは、周囲の人から褒めらえる、報酬を与えられるなどの「外発的動機づけ」が行われることによって、やる気やモチベーションがアップする心理現象を指しています。褒めて伸ばす手法の一つであり、アンダーマイニング効果と対局の関係性にあります。

仕事中に栄養ドリンクやお菓子を不意に差し入れられると、やる気がアップする人もいますが、これがエンハンシング効果によるものです。

アンダーマイニング効果とエンハンシング効果の2つを人によって使い分ける必要があり、教育分野をビジネスにしている人はどちらも心がけておくと良いです。

気分一致効果

気分一致効果とは「気分が良い時は思考がポジティブに(物事をプラスに捉えやすく)なり、気分が悪い時は思考がネガティブに(物事をマイナスに捉えやすく)なる」という、人の感情と思考に関する心理学。

例えば、よくプラス思考・マイナス思考を説明する例として「グラスに半分入っている水」が挙げられます。

※ 同量の水であっても、プラス思考の人は「まだ水は半分も残っている」と考え、マイナス思考の人は「もう水は半分しか残っていない」と考えるというもの。

エスカレータ効果(Escalator effect)

エスカレータ効果とは「脳内に記憶されている情報とは異なる出来事が発生した場合に、違和感を覚える現象」を表す心理学用語。

例えば、停電で止まっているエスカレータを 階段を降りるかのように徒歩で降りた場合、なんとなく違和感が。そして、足が重たくなったような感覚を覚えませんか?

これは、何十年という習慣の中で、人の脳内に「エスカレータ = 自動で私たちを運んでくれる物」と記憶されているためです。エスカレータ効果を逆手にとり、あえて常識破りの行動で 人々に商品を印象付けようとする広告手法も存在します。

傍観者効果(Bystander effect)

傍観者効果とは「ある事件について自分以外に傍観者(目撃者)がいる場合、率先して行動を起こさなくなってしまう現象」を表す心理学用語。そして、傍観者の数が多ければ多いほど、傍観者効果の効力は大きくなります。

例えば、自分一人だけが歩いていて交通事故を目撃した場合、大抵の人は救急車を呼ぶなど、自発的に英雄的な行動(救助活動)を取ることが多いといいます。

ロミオとジュリエット効果

ロミオとジュリエット効果とは、何かの目的を達成しようとするときに困難や障害があったほうが熱量が上がる心理作用です。ロミオとジュリエットが誰も賛成してくれない恋愛だったからこそ燃え上ってしまったという、あの有名なお話が名前の由来です。

ビジネスではマーケティングで活用できるテクニックです。例えば、「ご当地限定」や「来場者限定」など、なかなか入手できないからこそ欲しくなる気持ちに火が付きます。また、あえて品薄状態にすることで入手困難さをアピールすると購買意欲をそそります。

噴水効果

噴水効果とは、デパートやショッピングモールで1階や地下に食料品街などを充実させ、集まった人をそのまま上の階にも流すことを指しています。

まずは、お店の中に入ってもらわなければ売り上げには繋がりません。中に入ってもらえれば人の流れもできていますし、広告やアナウンスなど視覚情報、聴覚情報共に取得してもらえます。「ついでに買っていこう」という心理を促進するビジネステクニックです。

しかし、現在では目的を定めて購入するお客さんが増えているため、以前に比べると効果は減っているようです。

シャワー効果

シャワー効果とは、デパートやショッピングモールにおいて、お店の最上階やフロアの奥でイベントを行うことで、別のフロアや目的ではなかった物も購入へと繋げて貰うビジネススキルです。

最上階に行くエスカレーターであったり、フロアの奥へ進む道のりにもたくさんの商品を目にします。その間に、ふと目に入ったものが急に欲しくなる人もいるはずです。商品をたくさん見てもらうことで購買意欲をそそる心理アプローチです。

しかし、こちらも以前に比べると効果は減っているそうなので、現在では別の戦略も必要でしょう。

左回りの法則(右側の法則)

人間は無意識に左へと傾く習性があるため、左の道を選んだり、左回りに歩くことが多くなります。これを左回りの法則といいます。

コンビニやスーパーはこの法則に則って、配置を左回りにしているところが多いです。これは心理的な作用というよりは、右利きの人の多くが左手でかごを持つため、左回りのほうがスムーズに買い物ができるのが一番の要因のようです。故に、右側にディスプレイがあるほうが好まれるため「右側の法則」とも呼ばれています。

右回りから左回りにしただけで売り上げが上がったという例もあるので、小売店が抑えておくべきビジネススキルといえるでしょう。

カチッ・サー効果

カチッ・サー効果とは、何か依頼や要求をするときに、理由を添えるだけで承諾率が飛躍的に上がる心理現象を指しています。テープレコーダーの再生ボタンを押したときに鳴る「カチッ」という音と、そのあとの砂嵐の「サー」という音が名前の由来です。

具体的にどれくらい上がるのかについて例を出します。
心理学者エレン・ランガーの実験によると「先にコピーを取らせていただけますか?」という要求だと承諾率が60%なのに対し、「急いでいるので、先にコピーを取らせていただけますか?」だと承諾率は94%まで上がります。

ビジネスでは商談や交渉で大いに活用できるスキルでしょう。

フォールス・コンセンサス効果(偽の合意効果)

フォールス・コンセンサス効果とは、自分の意見や行動は多数派であり、みんな同じような言動のはずだと思い込んでいる現象のことです。何の根拠もないのに「みんな言ってる」や「みんなやってる」という言葉を吐いているのがまさにこの心理状態です。

確証が全くないのに多数派の賛同があると思い込んでいることから「偽の合意効果」とも呼ばれています。

ビジネスにおいても考慮すべき効果で、サービスや商品を作る側の人間は思い込みを取り払わなければなりません。「これは女性には全く需要がない」であったり「お年寄りにしかうけない」なども、第三者の意見を取り入れることで覆る可能性があるということです。

一貫性の原理

一貫性の原理とは、一度決断したことはその後も貫き通したくなるという心理作用のことです。小さな要求を承諾してもらえると、その後の要求も承諾されやすくなるという「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」はこの原理を利用したものですが、他にもビジネスでの活用方法があります。

例えば、試食や試着などは代表例です。お金もかかりませんし、「少しだけ」と気軽に手を出してみますが、試すだけ試して離れるのも申し訳なさが生まれます。或いは、アンケートなどで肯定しやすい質問を並べ、商品やサービスに興味を持たせて購入に繋げる手法もあります。

類似性の法則

類似性の法則とは、自分と似たものや人に親近感を抱いてしまう心理現象のことです。初対面でも地元が一緒だと、途端に話に花が咲くことがあるように、共通点があると嬉しくなるものです。

営業など外部のお客さんと接する機会の多いビジネスマンには必須のテクニックでしょう。雑談ができるタイミングで「実は私も…」と似たようなバックグラウンドや共通点など、小さなことでもお話すると心の距離が縮まります。

相手の動作をそっくり真似するミラーリングも類似性の法則を利用したものです。

バイヤーズリモース

バイヤーズリモースとは商品を購入した直後に急に後悔してしまう心理現象を指します。しかも、商品が高額であればあるほど、この後悔は大きくなります。

どれにするか迷ったりしている購入までの過程でテンションは徐々に上がっていき、買っている瞬間が最高潮に達します。その後は、「本当にこの商品でよかったのか?」や「他の人にも相談すべきだったんじゃないか?」など不安になってしまうのです。

ですので、販売や営業をしているビジネスマンは購入後のアフターケアをすることで、リピート率を上げることができます。お礼状や定期的な連絡などで「自分の選択は間違いなかった」と安心させてあげましょう。

現状維持の法則

現状維持の法則とは、変化することに恐れを感じ、過去と同じ選択をすることで現状維持を保ってしまう心理現象のことです。人間には本能として変化しないようインプットされており、多かれ少なかれ誰もがこの感情を持っています。

ですので、大きな買い物や習い事など、生活習慣に変化の起きるものはどうしても避けたくなってしまいます。個人営業をしているビジネスマンは、人間にはこの心理があることを心がけ、勇気付けるトークを持っておく必要があります。

ブーメラン効果

ブーメラン効果とは、善意で何か行ったり発言したことが、図らずも不利益となって返ってきてしまう現象を指します。

具体例としては、大企業がなかなか発展しない中小企業のために自社の技術や情報を公開したところ、中小企業が目覚ましい発展を遂げ大企業を脅かすほどになってしまった、といったものです。ビジネスにおいてはいくら善意があっても、最低限のリスクヘッジは必要です。

心理学の分野では、説得すればするほど相手が拒否したくなる、という少し違った意味で使われます。

保有効果

保有効果とは、自分が保有している物には特別な価値を感じ、手放したくなくなる心理現象のことです。これは、保有期間が長い程効果を発揮します。

ビジネスではマーケティングで主に活用されています。返金保証制度が良い例です。満足がいかなければお金を返してもらえるので、とりあえず購入や契約をしてくれます。そして、保証期間ギリギリになるまで保有していると、保有効果により手放したくなくなるので、解約はあまりされないのです。

そのため、リスクがあるように感じますが保証期間は短いとあまり意味がなく、保有効果を発揮するくらいの期間を必要とします。

権威への服従原理

権威への服従原理とは、権力や地位を持っている人の意見は全て正しいと思い込んでしまう心理現象を指します。これが閉鎖的空間ではより強まり、権威を持った人からの指示であれば残虐なことさえも正しいと思い込んで行ってしまうことを「ミルグラム効果」と言います。

ビジネスではマーケティングで活用されています。例えば、広告に専門家の称賛の意見や、著名人のコメントを入れると、その意見は基本的に正しいと思ってくれますので、購入してもらえる確率が高くなります。

文脈効果

文脈効果とは、前後関係により言葉や事象が補填された形で認識できる心理効果のことです。例えば、「おかしいですね」という返答は面白いという意味なのか、違和感があるという意味なのかは前後の文脈によって瞬時に把握できます。

これをビジネスにおいてどう活用するかと言うと、例えば飲食店の付属品です。食べ物を載せているお皿が、美しく高級感のあるデザインならば、食べ物そのものも高級でおいしいだろうと思いやすくなります。体験そのものの満足度が上がるので、リピーターができたり売り上げに貢献したりするでしょう。

ピークエンドの法則

ピークエンドの法則とは、体験した事柄のピーク時と一番最後の感情によって、その体験全体を判断する、という心理作用です。

例えば、初めて行った飲食店の感想は食事をしているピーク時と帰りにお見送りと行ったエンド時の感情によって決定します。

実際に「短い時間に激痛を味わう」実験と「長い時間に渡るが同じ激痛が少しずつ和らいでいく」と言った実験の両方を行った場合、痛みが長時間続くにも関わらず後者を選ぶ人が多いと言った結果ができました。

ビジネスでこの法則を活用している事例は、営業やプレゼンで見受けられます。受け手のピーク時の感情が良くても悪くても、ピーク時と最後の印象がそれよりも良ければ、全体の評価を底上げできます。ですので、例え話の途中で顧客や聞き手の反応が悪くても、ピーク時を意識し諦めずに最後の締めをきっちりと行う心掛けが大切です。

ネームレター効果

ネームレター効果とは、相手の名前を会話中に呼ぶことで好感度が高くなる心理効果です。
人間は自分の名前に含まれる文字を無意識に好む傾向があります。「たろう」であれば「た」、「ろ」、「う」この3つの文字を含んでいる名前の物を選んでいる可能性が高いのです。

罰への欲求

罰への欲求とは、幸せなことやいいことが続くと、次は不幸が訪れたり嫌なことが起きるんじゃないかと不安に思う心理現象のことです。人間は幸せと不幸は偏らずに等しく訪れるものだと考えているため、この現象が起きます。

ビジネスではマーケティングで活かすことができる心理現象です。例えば、ジムの入会を促したい時に「楽に健康的な身体が手に入る」と宣伝すると、「そんなはずはない」とどこかに大変なことを探します。ですので、「大変ですが一ヶ月で結果を出せます」と言われると、幸せと大変なことのバランスが取れているので安心しやすいのです。

同調現象

同調現象とは、自分が少数派だと不安に感じ、多数派へと流されてしまう心理現象のことです。例えば、挙手で多数決をとる際に、自分が挙げようと思っていた項目で誰も反応を示していないと、不安になり別の項目へと変えてしまう、このような現象です。

ビジネスではマーケティングで効果を発揮しやすいです。多くの人が支持している物や事柄は信頼や安心を獲得しやすい、という「バンドワゴン効果」も同調効果の一つであり、「No.1」や「今売れています」などの文言があるだけで、商品やサービスが信頼されやすくなります。

希少性の原理

希少性の原理とは、希少性が高いほどその物の価値も高く感じるという心理効果です。そもそも、日用品は別として、服や家電などはいつでも手に入る物であれば、今すぐに買おうとはなかなか思えません。ですので、ある程度の限定性があると購買意欲をそそることができます。

ビジネスでは、すでに希少性の原理はよく使われています。「限定30食」や「ここでしか買えない」などは、まさにこの効果を狙っています。つまり、売りたい物によってはあえて品薄状態にしたり、生産量を少なくするのも一つの手段なのです。

サトルクエスチョン

サトルクエスチョンとは、相手の状況や言葉からある程度物事を推測し、それを織り交ぜた質問をすることで、相手の話を引き出しやすくするテクニックです。

例えば、がたいが良い人にこんな質問をします。
「体格良いですね。毎日ジムに通ってらっしゃるんですか?」
ここでのポイントは「毎日」とあえて決めつけてしまうことです。

違った場合には否定したくなる心理が働くため、このような形で自分から状況を教えてくれます。
「ジムには通っていますが、毎日ではないですね。週3くらいです。」
そして、当たっていた場合でも、そこから話を広げやすくなります。

ビジネスではカウンセリングにおけるヒアリングであったり、営業の雑談をする際などで活用ができます。

二者択一法

二者択一法とは、質問内容を二択にして答えやすくすることで、会話をスムーズにする心理テクニックです。選択話法とも呼ばれています。

例えば「週末は何をされますか?」という質問だと、答えにくさがあります。プライベートな話をすべきなのか、習慣にしていることを話すべきなのか迷うポイントが多すぎるためです。そこで、「週末の過ごし方はインドアですか?アウトドアですか?」と2択にすることで、迷うポイントを少なくします。

ビジネスでは営業トークで大いに活用ができます。前述したように会話をスムーズにすることも可能ですし、「AとBでしたらどちらの方がお好みですか?」など限定した領域で答えさせることができるからです。

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